予防とは

予防とは

予防は、「むし歯や歯周病になってから治す」のではなく、「ならないように管理する」ことを目的とした歯科医療のあり方です。
歯科診療をしていると、歯を失ってから「もっと早くケアしておけばよかった」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。本当に大切なのは「痛くなる前」「問題が起こる前」からの通院なのです。
当院では、リスクに応じたメインテナンスと生活習慣へのアドバイスを通じて、未来のトラブルを防ぐ予防歯科に力を入れています。

当院の予防に対する考え

当院の予防に対する考え
「歯がなくなって初めて、歯の大切さに気づきました」

これは、歯を失った患者さまの多くが語る言葉です。痛みが出てから歯科にかかるのでは削って詰めての繰り返しになり、歯の寿命を縮めてしまいます。大切なのは悪くならないように守ること、すなわち予防です。

むし歯や歯周病の原因となる細菌の膜であるバイオフィルムは、市販のデンタルリンスでは取り除けません。日々のケアだけでなく歯科医院での定期的な処置を受け、バイオフィルムを落とす必要があります。

バイオフィルムとは?

バイオフィルムとは?

「バイオフィルム」は、細菌が歯の表面に集まって形成するヌルヌルとした膜状の汚れです。台所の排水口に付着したヌメリと同じようなものと考えるとわかりやすいでしょう。歯の表面に強固にへばりつき、毎日欠かさず歯磨きをしていてもすべてを取り除くことは困難です。

バイオフィルムの中にはむし歯菌や歯周病菌が存在しており、そのまま放置するとさまざまなお口のトラブルを引き起こします。歯科医院での定期的なクリーニングによってバイオフィルムを除去することが必要です。

当院での予防治療

口の中だけにとどまらない広い予防の提案

01 Feature

口の中だけにとどまらない広い予防の提案

当院では、むし歯や歯周病の予防だけでなく、歯並びやかみ合わせ、噛む力のバランスにも注目しています。
お口全体の健康を整えることで、全身の健康維持にもつなげていくことを大切にしています。

歯並びについて

歯並びが悪いとむし歯や歯周病のリスクが上がるだけでなく、発音のしづらさや精神的なコンプレックスにもつながります。早期の矯正は、お口だけでなく心の健康も守る予防の一環なのです。

当院の矯正について詳しく知りたい方は、矯正歯科のページもご覧ください。

矯正歯科について詳しくはこちら

歯がない場合の予防

歯を失ったままにしておくとかみ合わせが乱れ、ほかの歯にも悪影響が及びます。しっかり噛めないと脳に新鮮な血液が行き渡らなくなり、認知症の発症リスクが上がるともいわれています。
インプラントや義歯でしっかり噛めるようにすることも、予防の一つといえます。

当院のインプラントや義歯について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。

入れ歯について詳しくはこちら インプラントについて詳しくはこちら

担当制の歯科衛生士による継続ケア

02 Feature

担当制の歯科衛生士による継続ケア

当院では、歯科衛生士の「担当制」を導入しています。
毎回同じ衛生士が継続して管理を行うことで、お口の小さな変化にもいち早く気づき、より的確なケアを行えます。食生活や喫煙などのライフスタイルを把握した上でアドバイスを行い、再発防止につなげます。

大人の方は1〜3ヶ月ごと、お子さまは毎月のメインテナンスを行っています。お子さまの治療について、詳しくはこちらもご覧ください。

お子さまのメインテナンス

お子さまのお口は、歯の生えかわりや顎の成長により短期間で大きく変化します。月に一度の継続的なメインテナンスを行うことで、むし歯予防だけでなく、歯並びやかみ合わせの早期対策も可能になります。

怖がりなお子さまでも、定期的な通院で歯科に慣れれば予防の習慣が自然と身につきます。子どものうちから歯科医院に通い、成長してからも自分から歯科医院でのケアを受けるよう習慣をつけましょう。
唾液検査によるリスク評価

03 Feature

唾液検査によるリスク評価

当院では、唾液検査でむし歯や歯周病のリスクを可視化しています。
歯科治療では根本原因へのアプローチが重要ですが、残念ながら原因の追究が不十分なまま治療が始まってしまうケースも珍しくありません。
たとえば内科などの医科なら、症状に応じてさまざまな検査を行って根拠をもって診断するでしょう。レントゲンで肺に黒い影があったからといって、肺がんだと決めつけるようなことはなく、必要な精密検査を行って診断します。
ところが、歯科ではレントゲンで黒い場所があっただけでむし歯と診断され、即日治療が始まることも多くあります。本来は「なぜむし歯や歯周病が起きたのか」をきちんと精査して突き止める必要があるのに、痛みを取る治療が優先されがちです。
唾液検査は、むし歯や歯周病の原因となる細菌の状態や唾液の力、生活習慣などを知るための重要な検査です。医科で行う血液検査と同じ役割であると考えており、適切な診断のためには欠かせません。
原因に向き合わずに歯を削るのは、ケガの原因を突き止めないまま絆創膏を貼って済ますのと同じで、根本的な解決になりません。唾液検査で自分のお口の状態を知ってはじめて、治療のスタートラインに立てるのです。

  • 自由診療です。
  • 検査の前には、洗口液の使用、運動、飲食、喫煙、歯磨きなどの制限があります。
  • 治療の流れ:唾液を採取して成分を調べ、検査結果をご説明します。

お口のミュータンス菌

お口のミュータンス菌

ミュータンス菌はむし歯のおもな原因菌です。お口の中の糖分を栄養として酸を出し、歯を溶かします。菌の数が多く活動性が高いほど、むし歯のリスクが高くなります。

プラークの付着量

プラークの付着量

歯磨きのくせや生活習慣によってプラークの付着する量や残りやすい場所は変わります。唾液検査では歯の表面にどれくらい汚れが残っているかチェックし、むし歯の発生しやすさを調べます。

むし歯・歯周病リスク

むし歯・歯周病リスク

むし歯や歯周病の原因となる細菌を調べ、お口の中にいる細菌を特定します。唾液の酸性度や緩衝能(中和力)を調べることもできます。歯周病にかかると唾液に血が混じりますが、この血液も検出できます。
適切なブラッシング指導

04 Feature

適切なブラッシング指導

予防の基本は毎日のセルフケアです。当院では歯科衛生士がお一人お一人に合わせたブラッシング指導を行い、患者さまご自身が適切なケアを習慣化できるようサポートします。

日々の歯磨きはただ磨けばよいのではなく、「どう磨くか」が大切です。歯ブラシに加えて、フロスや歯間ブラシの併用もおすすめしています。

フロス

フロス

アメリカ歯周病学会が「Floss or Die(フロスをしますか?それとも死にますか?)」というキャッチコピーを打ち出したほど、フロスはお口と全身の健康を保つために重要なアイテムです。歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯のすき間の汚れを除去でき、口臭予防にもつながります。

小児のフロスについて詳しくはこちら

歯間ブラシ

歯間ブラシ

歯と歯のすき間にブラシを差し込み、歯ブラシでは届かない場所にたまった汚れを除去します。ブリッジの下や矯正器具の周りのケアにも有効です。

当院の予防の考え方

当院の予防の考え方
予防とは「病気にならないようにする」だけのものではなく「原因に向き合い、患者さまと一緒に治していく過程」です。
一般的な予防歯科で広く行われている「歯石を取ってむし歯がないか確認する定期検診」は、一見すると理にかなっているように見えますが、じつは十分ではありません。本来は歯石ができる原因を突き止めて対処する必要があるのに、それを放置して歯石をためてから取っているような状態です。いわば、蛇口を開けたまま床にこぼれた水を拭き続けているようなものといえるでしょう。
本当に必要なのは水が出てくる蛇口、すなわち原因を見つけて閉めること。原因がわからないまま処置や治療を続けても、再発を繰り返してしまいます。むし歯や歯周病は完全に治る病気ではなく、コントロールしながら付き合っていくもの。だからこそ、原因にアプローチし続けることこそが、治療であり予防なのです。
患者さまお一人お一人のリスクや生活習慣が違うため、適切なメインテナンスの間隔も全員同じではないはず。その方に合ったサイクルを一緒に決めていくことが大切です。
北欧諸国では、こうした予防の考え方が社会全体に根づいており、年齢を重ねても健康な歯を保つ方が多くいます。日本でも少しずつ普及してきていますが、まだ十分とはいえません。当院は、この考え方を地域に広げていきたいと思っています。
予防やメインテナンスは、私たち歯科医師や歯科衛生士だけが頑張るものではありません。患者さまご自身が自分のお口の中の状態を知り、生活習慣やケアの方法を少しずつ変えていくことが、本当の意味での予防につながります。
私たちは単なる「治療をする人」ではなく、お口の健康を守る「パーソナルトレーナー」として、患者さまに寄り添い続けます。
「もっと早く来ればよかった」ではなく「通っていて本当に良かった」と思っていただけるように、まずはご自身のお口の中のことを知ってみませんか?
私たち【IS歯科】が「お口のパーソナルトレーナー」として、一緒に伴走してまいります。
診療時間
9:30~13:00
14:00~18:00
休診日:水曜・日曜・祝日
TEL
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