むし歯とは

むし歯とは

むし歯は、お口の中の細菌による感染症です。自然に治ることはなく、放置すれば進行して歯が痛み、歯を失う原因にもなります。

むし歯の原因について

むし歯の原因について

むし歯は、単一の原因で発生するものではありません。おもに「歯の質(強さ)」「糖分」「細菌」「時間」の4つの要素が重なり合って発症します。

たとえば、砂糖を含む食べ物や飲み物をだらだらと長時間取り続けていると歯の表面にむし歯菌がとどまりやすくなり、酸によってエナメル質が少しずつ溶かされていきます。歯の質にも個人差があり、同じような生活をしていてもむし歯になりやすい人・なりにくい人がいます。

むし歯の予防には、この4つの要因それぞれにきちんと対策することが重要です。

根本的な原因は「バイオフィルム」

むし歯や歯周病の根本的な原因は、バイオフィルムです。
バイオフィルムは歯の表面に強固にこびりつきます。バイオフィルムでは、むし歯や歯周病の原因菌が毒素を出すため、放っておくと口内環境が悪化してしまいます。
歯垢は歯ブラシなどで除去できますが、バイオフィルムは家庭でのケアでは落とせません。歯科医院でバイオフィルムをきちんと取り除くことが、むし歯・歯周病予防の第一歩です。
バイオフィルムについて詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。

詳しくはこちら

むし歯の段階(CO~C4について)

むし歯は、進行度に応じて「CO」から「C4」までの5段階に分類されており、それぞれ症状や治療方法が異なります。
初期の段階であればほとんど削らずにすむこともありますが、治療が遅れるほど選べる方法は少なくなります。

ここでは、むし歯の進行ごとの特徴と治療内容についてご紹介します。

初期う蝕

初期う蝕

歯の表面のエナメル質がわずかに白く濁っている状態で、まだ穴はあいていません。この段階では痛みなどの自覚症状はなく、自分で気づくことは難しいものです。
「CO(シーオー)」は経過観察が必要な初期むし歯を指し、フッ素塗布やセルフケアの見直しで再石灰化が促されれば、削らずにすむこともあります。

エナメル質のむし歯

エナメル質のむし歯

歯の表面のエナメル質に穴があいた状態です。エナメル質は痛みを感じないため、自覚症状はほとんどありません。
C1の段階では必要最小限の範囲を削って、白いレジンなどで詰める治療を行います。

象牙質のむし歯

象牙質のむし歯

エナメル質の内側の象牙質まで進行した状態です。冷たいものや甘いものがしみるようになるなど、自覚症状が出てきます。
治療ではむし歯を削り、詰め物(インレー)または被せ物(クラウン)で補います。想像以上に進行が早いこともあるため、早めの受診が重要です。

神経に達したむし歯

神経に達したむし歯

むし歯が神経(歯髄)にまで達し、熱いものがしみたり強い痛みや腫れが出る状態です。この段階では、神経を取り除いて根管の内部を洗浄する根管治療を行います。
当院では、マイクロスコープやラバーダムを使った精密な根管治療を行い、可能な限り再発リスクが抑えられるよう努めています。

精密根管治療について詳しくはこちら

詰め物・被せ物について

詰め物・被せ物について

C3になると歯の損失が大きく、レジン(歯科用樹脂)では強度が不足します。金属は強度の高い素材ですが見た目が目立ってしまい、金属アレルギーや経年劣化による再発リスクの増加など、後から悪影響が生じる可能性もあります。
セラミックやジルコニアの修復物は見た目が天然の歯に近いだけでなく、十分な強度を持ち劣化しにくい素材です。審美性と機能性にすぐれた詰め物・被せ物をご希望なら、審美治療をご検討ください。

審美セラミック治療について詳しくはこちら

歯根だけが残った状態

歯根だけが残った状態

歯ぐきから上の部分がほとんどなくなり、歯の根だけが残った状態です。神経が死んでいるためC3で感じていた痛みはおさまりますが、放置すると歯の根の先に膿がたまり、再び痛み出す場合もあります。
当院ではできるだけ歯を残せるよう努め、もし抜歯が避けられない場合でも患者さまの希望と状態に合わせた適切な治療の提案を行います。

入れ歯について詳しくはこちら インプラントについて詳しくはこちら

当院のむし歯治療

患者さまお一人お一人のむし歯リスクや、根本的な原因は異なります。
当院では再発させない治療をめざし、むし歯の原因を特定するためのアプローチを行います。

ここでは、当院が大切にしている3つの視点をご紹介します。

唾液検査

01 Feature

唾液検査

むし歯の発症や進行には、口腔内に存在する細菌の種類や数が大きく関係します。当院では唾液検査により、お口の中にどのような細菌がいるか、むし歯の原因菌の活動性はどの程度かなど、お一人お一人のお口を評価します。

むし歯だけでなく歯周病が進行している方では唾液中に血液成分が混ざることもあり、口臭の原因にもなります。

唾液検査について詳しくは、歯周病の解説ページもご覧ください。

生活習慣や食事の問診による糖分コントロール

02 Feature

生活習慣や食事の問診による糖分コントロール

むし歯のリスクは、日々の生活習慣や食事習慣によって大きく左右されます。再発防止のためには自分のお口の状況を知り、食事や間食の取り方を変えていくことが重要です。

生活習慣の乱れはお口だけでなく、全身にも悪影響を及ぼします。生活習慣が原因でお口や全身の健康がドミノ倒しのように崩れていくことを「メタボリックドミノ」と呼びます。
当院では、おうかがいした生活習慣や食事習慣の問診結果を用いて、患者さんお一人お一人の生活スタイルに合った食生活をご提案しております。

痛みを抑えた治療(電動麻酔)

03 Feature

痛みを抑えた治療(電動麻酔器)

「歯医者が怖い」「痛みが苦手」という方の不安を軽減できるよう、当院では痛みや削る量を抑えた治療を心がけています。

麻酔の際に感じる痛みの原因は、麻酔液を注入する圧力のムラや温度差です。当院では麻酔液を体温と同程度まで温め、電動麻酔器で注入速度や圧力を管理して痛みを感じにくくしています。また、注射前には表面麻酔を行い、針が刺さるときのチクッとした痛みも軽減します。

歯の健康な部分をなるべく削らないよう、マイクロスコープや拡大鏡、う蝕検知液、極細ドリル、レーザー機器などの先進的な機器も駆使します。必要最小限の範囲だけを的確に処置し削る量を抑えることで、歯の寿命を伸ばせるよう努めます。

当院のむし歯治療に対する考え

当院のむし歯治療に対する考え
私たちは、むし歯を削って詰めるだけでは本当の意味で「治った」とはいえないと考えます。
「なぜむし歯になったのか?」「どうして繰り返してしまうのか?」
その原因に目を向けなければ、むし歯が再発したり、ほかの歯が悪くなったりしてしまいます。

たとえば、キッチンの蛇口から水が出しっぱなしになり、床が水浸しになったとします。ほとんどの方は、まず蛇口を閉めに行くでしょう。水が出ている状態で拭いても、床は永遠に濡れたままです。

むし歯治療も考え方は同じです。根本原因に対処しないまま痛みを取って詰めても、それは水が出ている状態で床を拭いているのと同じなのです。

本当に必要なのは、むし歯の原因への対処です。当院では、患者さまお一人お一人のお口の環境や生活背景を丁寧に聞き取り、再発しにくい・繰り返しにくいむし歯治療をめざしています。

歯医者が苦手な方や痛みが心配な方は、こちらのページで患者さまのための取り組みを紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

患者さまの「こうしてほしい」を実現させます

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